宗教と環境
「よく生きる」「美しく生きる」ための、金剛峯寺からの提案。
「宗教は、現在、この日本において何をすべきなのか」
これには多くの人々が犠牲になり、社会に甚大な被害と混乱を与えた東日本大震災が契機となっていることは言うまでもありません。
以来、宗教者のみならず、すべての人間が自身をとりまく社会や自然・・・「環境」そのものといかに向き合って行くべきか、深く問われてきました。
高野山真言宗、あるいは金剛峯寺は、伝統宗教として日本人の精神性、「こころ」に遥か昔から深く関わってきました。信仰を持つ、持たない、にかかわらず、私たちのたましいには伝統宗教に由来するメンタリティーが受け継がれています。1000年以上の長きにわたって、蓄積してきた智慧と祈りの中に我々が果たすべきことのヒントが隠されているはずです。
「共生」。この世界に存在する、すべてのものが調和し、共に生きる道を選ぶこと。
伝統宗教という見地から、我々の「こころ」と「たましい」のルーツをたどり、この世界といかに向き合っていくのか、皆様と一緒に考えていくことができればと思います。