金剛峯寺からのお知らせ
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国の文化審議会(会長 島谷弘幸)は、令和7年3月21日(金)に開催された同審議会文化財分科会の審議・議決を経て、135件の建造物を新たに登録するよう文部科学大臣に答申しました。この結果、官報告示を経て、登録有形文化財(建造物)は、14,567件となる予定です。
1 登録有形文化財(建造物)の新規登録
〇金剛峯寺 3件
金剛峯寺六角経蔵、金剛峯寺鐘楼、金剛峯寺浄水所
所有者:宗教法人金剛峯寺高野山は和歌山県北東部の山々に囲まれた盆地上に位置し、全域が金剛峯寺の境内地であり、その中心となる伽藍は「壇上伽藍」と称されている。
金剛峯寺六角経蔵はこの壇上伽藍内に建つ経蔵で、伽藍の中心となる金堂の南西に位置する。二重の六角経蔵で、昭和7年(1932)に竹中工務店の設計施工で再建された。鉄筋コンクリート造を主構造としながら、壁や軒は木造とする混構造である。回転させることで経典を読経した功徳を得るとされる大鉄輪を備え、参拝者は把手(取っ手)で押して鉄輪を回転させることができる。壇上伽藍にふさわしく伝統的で整った形姿の経蔵である。
鐘楼と浄水所は、高野山開創1150年記念大法会の事業の一環として昭和33年(1958)に建てられた。
鐘楼は金堂の南東に位置し、高野四郎の名で親しまれる大鐘を吊る。鉄筋コンクリート造で、高い基壇上に建ち、四方を吹き放しに造る。設計施工は株式会社あめりか屋である。金堂や根本大塔と調和するよう細部には復古的な意匠を採用する。軒まわりを華やかに造り、軒の出を深く取った堂々とした姿の鐘楼である。
浄水所は壇上伽藍東端の蛇腹道沿いに位置し、純白の外観が目を引く鉄筋コンクリート造の手水舎である。参道から南面に張り出した基壇上に建ち、四方を吹き放しに造り、中央に水盤を据える。正面を除く三方には、直線を基調とした刎高欄(はねこうらん)様の金属製手摺を建てる。簡明な造りながら要所に装飾を施し、壇上伽藍に相応しい意匠にまとめられた規模の大きな手水舎である。○登録基準=造形の規範となっているもの
※詳しくは 文化庁ホームページの文化審議会の答申(登録有形文化財(建造物)の登録)をご覧下さい。